
糖質、脂質は運動や筋肉を動かすエネルギーと言われています。しかし厳密にはエネルギーとはATP(アデノシン3リン酸)という物質で、糖質や脂肪はそのATPを作るための原料なのです。ではそれらがどのように働き筋肉が動くかを学びましょう。そこでまず「代謝」という言葉を覚えてください。代謝とは、ようするにある物質が化学反応して別の形に変わると言う意味です。"吸収したものが体内で様々な代謝経路を経て老廃物となって排出・排泄される"これを繰り返して人間の体は成長・維持されます。ここでは「代謝」=「燃える」と考えればよいでしょう。
代謝って?!
栄養学の本格的な専門テキスト書だが、「代謝」とはなんぞや、ということから各栄養素とエネルギー代謝とのかかわりまで基礎からきっちりと学ぶ事ができる。
日常生活や心拍数が低い運動では、酸素を使って脂肪と糖質(筋グリコーゲン)を原料にしてATPを生産します。このように酸素を媒介としてエネルギーを燃やす(酸化)運動を有酸素運動と言います。脂肪とグリコーゲンが酸化されることによって二酸化炭素と水が代謝物質として生産されます。また、心拍数が上がり運動強度が強くなってくると糖質の割合が高くなってきます。
※最大酸素摂取量の50%程度(最高心拍数=220-年齢の60%程度)の運動で脂肪:糖質=1:1程度です。

さらに高い心拍数の運動になると酸素の供給が間に合わなくなるので、酸素と脂肪を使わず筋肉内に貯えられた筋グリコーゲンだけでATPを生産するエネルギー供給システム「乳酸系」が作動し、エンジンにターボがかかります!このような酸素を必要としないシステムによる運動を無酸素運動と言いますが、有酸素運動よりも強い力を出す事ができるかわりに40秒ほどしか持続できません。筋肉の運動には基本的にその筋肉内に蓄えられた筋グリコーゲンを使いますがそれが足りなくなると肝臓に蓄えられたグリコーゲン(肝グリコーゲン)や血中糖分、タンパク質(アミノ酸)を使います。
代謝物質は乳酸という物質でこれが血液中にたまってくると筋肉が熱く感じるような筋肉痛が起こり運動ができなくなります。運動をやめ血流が回復すると、たまった乳酸は酸素で燃焼され二酸化炭素と水に分解されますが一部は再びグリコーゲンの生産に利用されます。また、この乳酸系システムの作動が本格化し始め乳酸生産量が急増するポイントを乳酸閾値(LT値=無機的閾値AT)と言い、持久力の目安となります。
※有酸素運動時も乳酸が代謝物質として産生されますが、無酸素運動のようにたまる事はなく血流によって処理されます 。
陸上競技 2010年 02月号 [雑誌]
LT値と有酸素系トレーニング方法について詳しい記事が掲載されています。中長距離選手必見!
くわしくはこちら>>
また筋トレは無酸素運動で、乳酸をより多く産生させる事により成長ホルモンが多く分泌され筋肉が発達すると考えられています。そのためこの無酸素運動の効果をより引き出すため1セットは「40秒ほどが限界」な不可に設定するのもトレーニングのコツです。
筋肥大のメカニズム
※一般の人はだいたい最高心拍数=220-年齢の60〜70%程度でAT値に入るが有酸素トレーニングで向上させる事ができます。つまりAT値が高いほど持久力が強いという事です。
そしてさらに高い心拍数では乳酸系システムでもまかないきれなくなります。すると第三のシステム「ATP-CP系」が作動、いよいよニトログリセリンに点火です!これは筋肉内に蓄えられたクレアチンリン酸という物質を使ってATPを生産するシステムで最もパワーを発揮できるシステムです。しかしこのクレアチンリン酸の貯蓄量はわずかでしかなく数秒しか持続できません。ATPを放出するとクレアチンとリン酸に分解され、再びクレアチンリン酸の合成に利用されます。3分ほどのインターバルで90%程度の量まで回復するといわれています。
※このクレアチンリン酸の貯蓄量をもし増やすことができればハイパワーの持続時間を伸ばす事ができスプリント競技などでは有利になれると考えられています。ウエイトトレーニングにおいても高負荷でのレップ(回数)を増やす事ができるので結果的により高強度のトレーニングが可能となります。クレアチンは体内で合成されますが、肉や魚にもわずかながら含まれています。しかしその量には限界があるためクレアチンサプリメントを使うという考え方がありますが、あくまで持続時間を延ばす可能性があるというだけでパワーや筋力そのものが上がるというわけではありません。またもちろん誰でもその効果が得られるというわけでもありません。
※ADP(アデノシン2リン酸)についはここでは省略します。
COACHING CLINIC (コーチング・クリニック) 2006年 09月号 [雑誌]
←クレアチンの解説、効果、使用法、副作用などクレアチンに関する詳細に記事が掲載されています。
くわしくはこちら>>
いかがだったでしょうか?やや専門的な内容でしたが、筋肉とは状況に応じて三段階の燃焼システムを使い分ける優れた超高性能エンジンである事がご理解いただけたでしょうか。これらの高性能システムをスムーズに作動させるためにもウオーミングアップによる暖気運転が必要なのです(
ウオーミングアップとストレッチ)。ただ伸ばすだけのストレッチじゃエンジンは温まってはくれません。
これで筋肉発達のために必要な知識をひととおり学ぶ事ができました。が、まだまだまだです。これらの知識をいかしてより筋肉を増強するための方法をいよいよ伝授!!
●40代の筋トレ●筋トレクイズ●筋トレ占い●復刻版筋曜日の肉たちへ
※画像・文章・その他あらゆる内容の無断複製転載はしないでください!