負荷の弱い腕立て伏せとして、女性や高齢者にもすすめられることがある膝つき腕立て伏せ。しかしこれ、ホントに大胸筋のトレーニングになっているのか考えてみよう!
膝つきを考える前に、まず腕立て伏せと、バーベルやダンベルを使ったベンチプレスとの違いを理解する必要があります。ベンチプレスでは上左絵のように腕の筋肉に負荷が逃げないよう常にウエイトから肘までのラインを横から見た時に地面に垂直に維持するのがポイントです。垂直に維持することによって大胸筋に的確に負荷をかけることになります。そうするとウエイトは、上右の絵のように胸の上からスタートして肩の真上に来るように頭上の仮想の点を中心とする円軌道上を通る事になります。
ところが腕立て伏せではこの円軌道の中心が逆向きの足方向になってしまい、手から肘を垂直に維持することができず手首に角度がついてしまい、
結果肘関節の曲げ角が深くなって大胸筋よりも上腕三頭筋の方に負荷がかかってしまいます。プッシュアップバーを使う利点というのは、稼働域を広げて負荷を高めるだけではなく「手首から肘を地面と垂直に維持する」ところに大きなポイントがあるわけです。
それでは膝をつくとどういう状態になるのか?膝をつくと、その円軌道の半径が短くなってなおさら大胸筋には効きにくくなります。しかも膝を曲げると大腿直筋に張力が生じて股関節が屈曲しやすくなり背中も曲がりやすくなって、下半身の力で上げ下げしているような状態になりやすいのです。曲がらないように意識すると胸よりもお腹が先に地面についてしまうでしょう。
テレビでお医者さんが高齢者の方に「四つん這い腕立て伏せ」をさせているのを見た事がありますが、腕立て伏せというより腰を支点としたバックエクステンションになってしまっており、腰の弱い高齢者にそんなことさせていいのかと思った事があります。負荷を弱めるならテーブルなど高い位置に手をついてやるのがよいです。背中が曲がらないようおしりから1本の棒が背中に通っているようにピンと張ってください。
腕立て伏せと円軌道の関係についてはトライセプスプレスダウンという上腕三頭筋の種目をやってみると理解しやすいかも。
いかがだったでしょうか。腕立て伏せもけっこう奥が深いのです。
じゃあ、腕立て伏せがぜんぜんできないっ!!って人はどうやって大胸筋きたえたらよいの?!という方のためのとっておきの筋トレを続いて紹介しよう。
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